不動産売却における割賦販売とは?メリット・デメリットを解説

2024-06-28

不動産売却における割賦販売とは?メリット・デメリットを解説

不動産を分割払いで購入する場合は住居目的であれば「住宅ローン」を利用するのが一般的ですが、何かしらの理由で審査に通らない可能性もあります。
売却に出したい建物や土地の購入希望者が現れたものの、分割払いをしたいと申し出があったら割賦販売を検討してください。
本記事では、不動産売却における割賦販売とはなにかお伝えしたうえで、メリット・デメリットを解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。

不動産売却における割賦販売とはなにかについて

不動産売却における割賦販売とはなにかについて

割賦販売(かっぷはんばい)とは、別名「クレジット販売」とも呼ばれる販売方法の一種のことを指します。
割賦販売は、一括払いができない買主に対して月割の分割払いで請求するのが一般的です。
不動産売却においては「物件を引き渡してから1年以上かけて代金の総額もしくは一部を2回以上に分割して受領する条件を満たしたうえで販売する」と規定があります。
現在の一般認識であれば住宅ローンを利用して不動産を購入するケースが多いですが、住宅ローンはだれでも利用できるわけでありません。
そもそも住宅ローンを利用できるのは居住目的の自宅のみが対象であるうえ、数十年単位での返済が可能であると判断できるような資金力・安定した職業・返済能力が求められます。
さらに返済能力や資金力に問題がないと判断されたとしても、購入予定の土地や建物に資産価値がないと評価された場合は担保にできません。
ローン審査では借入を希望する方のみではなく、万が一返済が滞ったときに金融機関が回収するための担保となる購入予定物件も判断材料になるでしょう。
とくに再建築不可物件や築年数の古すぎる土地や建物に魅力を感じて購入したいと思った場合、住宅ローン審査に落ちてしまい購入ができなくなるケースも多いのが現状です。
売却したい物件が条件的にローン審査に厳しいと分かっているうえで一括払いの購入希望者が現れる可能性は低いだろうと判断したのであれば、割賦販売を利用するのも検討してみましょう。
割賦販売をすると決めた場合、販売価格・割賦販売価格・物件引渡し時までに支払う金額・賦払額・支払い時期・支払い方法を明確に提示します。
取引相手が買取業者や不動産会社など業者になる場合、月割の支払いが滞ったとしても30日以上の期間が経過したあとで書面で催促する手順を踏まなければ途中で契約破棄はできません。
さらに、売却予定の物件の所有権留保と呼ばれる完済するまで売主が所有権を持ち続けたり、譲渡担保にしたりする方法は禁止です。
住宅ローンは金融機関が間に入って金銭面をサポートしますが、割賦販売は売主と買主がやり取りするため、赤の他人同士でおこなうケースは滅多にありません。
他人同士で契約を結べないわけではないものの、メリット以上にデメリットが大きいため十分な対策をしなければトラブルになる可能性があります。
基本的には相手をよく知ってる関係の親族間などで実施される場合も少なくないでしょう。

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割賦販売で不動産売却するメリットについて

割賦販売で不動産売却するメリットについて

割賦販売で不動産売却するメリットは、費用負担の軽減・親族間の売買に有効・長期分割が可能・再建築不可物件の売却に有効の3点が挙げられます。
住宅ローンを組んだ場合は元本にくわえて金利や手数料の支払いが必要で、返済が長引けば長引くほど最終的な総合支払額は高くなるのが一般的です。
原則として割賦販売では金利や手数料の支払いは発生しないため、分割払いで最小限の支払いに抑えたいのであれば住宅ローンよりも割賦販売のほうが優れていると言えるでしょう。
ただし費用負担が軽減されるのはあくまで買い手側のメリットであり、売り手視点になると割賦販売にすると購入希望者が増えるわけでなければ特別なメリットとは言えません。
続いて不動産を親族間で売買取引するとなれば贈与税の支払い義務を免れる手段として有効と言われています。
本来、親から子ども・もしくは子どもから親に不動産を無償譲渡する場合は不動産の資産価値評価額に応じた贈与税が課せられるため、かえって負担になる可能性も考えられます。
本来は無償譲渡しても良いと考えている不動産を親族間で売買するのであれば、万が一返済が滞っても大きなトラブルになりにくい割賦販売は有効手段と言えるでしょう。
ただし無症状とのカモフラージュとして表向きを割賦販売にして支払いを滞納しているのがバレると、贈与税の課税対象になる可能性があるため注意が必要です。
また割賦販売は売り手と買い手が納得するのであれば長期分割も許されており、買い手の資金力が足りていなくても不動産売買ができる可能性が高くなるでしょう。
住宅ローンであれば金融機関が提示する期間内に分割払いをする必要がありますが、割賦販売であればその倍かかっても問題にはなりません。
最後に資産価値がつきにくい再建築不可能物件は住宅ローンを組めないため売り手を見つけるのが困難ですが、割賦販売にすると買い手が見つけやすくなります。
再建築不可物件とは、建築基準法によって建物を建て替えてはいけないと制限をかけている接道義務を満たしていない物件のことを指します。
売却に苦労するような条件であっても「住宅ローン以外の分割払いができる」と分かれば一気に購入するハードルが下がるでしょう。

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割賦販売で不動産売却するデメリットと対策について

割賦販売で不動産売却するデメリットと対策について

割賦販売で不動産売却するデメリットとして、所有権移転登記のタイミング次第では資金調達ができない可能性がある点と贈与扱いになる可能性がある点が挙げられます。
まず不動産を割賦販売にする場合は、どのタイミングで中古マンションを所有していると証明する所有権を移転登記するかが重要なポイントです。
所有権移転登記をすると所有者が売主から買主に変わるため、返済中に滞納しても担保にしている不動産がないため支払いを促す効力がなくなるでしょう。
さらに買主が完済する前に破産してしまい、他の金融機関などの大きな組織から財産と資産を差し押さえされた場合は、不動産を失うリスクがあります。
損害を被るリスク対策として「完済したタイミングで所有権移転登記をすれば良いのでは?」と考える方が出てくるかもしれません。
しかし、返済までに数十年かかるのであれば購入すると契約したものの、完済するまでは実質マイホーム扱いにならないのは買主にとってデメリットになるため、契約できる可能性が下がってしまいます。
また、親族間で割賦販売を利用する場合は「親族だから無利子でOK」と話し合いが進む可能性がありますが、贈与税対策をしていると認識される可能性が高くなるでしょう。
具合的な判断基準が設けられていないため難しいラインではありますが、税務署から「利息分を贈与した」と判断された場合は、あとから追加課税が発生する可能性があります。
そのため、誤解されないためには親族間であっても大幅に安価な売却価格にしたり、不自然なほど長期的に無利子で売却しないようにしておくのが無難です。
市場調査をしたうえで適正価格を設定して、金融機関ほど高利子にする必要はありませんが、最低限の金利を設定したうえで取引をしましょう。

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まとめ

不動産販売では住宅ローンを組むケースが多いため、割賦販売を利用する取引は滅多にありませんが、親族間での取引や再建築不可物件などの売却では有効です。
他人同士で割賦販売をする場合は、所有権移転登記のタイミングを間違えると完済せずに不動産を失うようなリスクもあります。
そのため、ちゃんと検討したうえで取引するようにしましょう。


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