空き家の固定資産税が6倍に!?増税までの流れと対策とは

2024-06-13

空き家

空き家の固定資産税が6倍に!?増税までの流れと対策とは

今もなお増加し続ける空き家問題を解消するため、政府は「特定空き家」に対して固定資産税が6倍に増税される措置をおこなってきました。
2023年の空き家の改正案では、さらなる対策強化のため、固定資産税が6倍になる条件が増えています。
そこで今回は、空き家の固定資産税増税の概要をはじめ、6倍になるまでの流れやタイミング、それを回避するための対策について解説していきます。

空き家の固定資産税増税の概要

空き家の固定資産税増税の概要

政府は2023年に、「空き家等対策の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律」を改正しました。
この改正案では、空き家の一部優遇措置が見直されています。
これにより、これまで住宅用地の特例措置によって固定資産税が安かった空き家でも、特例措置の適用がなくなり、固定資産税が急激に6倍に増加する可能性があります。
住宅用地の特例措置は、住宅が建っている土地に適用され、固定資産税が1/6や1/3に減額される措置です。
もちろん、すべての空き家が増税するわけではありません。
どのような空き家が対象なのか、詳しく解説します。

そもそも固定資産税と特例措置とは

不動産には毎年固定資産税がかかり、地域によっては都市計画税もかかります。
固定資産税の税率は通常、評価額の1.4%であり、都市計画税は0.3%が上限の自治体が設定した数値です。
ただし、住宅用地、つまり住宅が建っている土地には、固定資産税と都市計画税の特例措置があります。
特例措置の詳細は以下の通りです。
固定資産税の特例措置

●小規模住宅用地(200㎡以下の部分):固定資産税評価額×1/6×1.4%
●一般住宅用地(200㎡を超える部分):固定資産税評価額×1/3×1.4%


都市計画税の特例措置

●小規模住宅用地(200㎡以下の部分):固定資産税評価額×1/3×0.3%
●一般住宅用地(200㎡を超える部分):固定資産税評価額×2/3×0.3%


これは空き家でも解体することなく、住宅用地として利用すれば、固定資産税が減額されることを示しています。
空き家の固定資産税が6倍に増税される条件
2015年に施行された「空き家対策特別措置法」では、固定資産税が1/6に軽減される優遇措置は、特定の条件を満たさない住宅には適用されませんでした。
これらの住宅は「特定空き家」に該当します。

特定空き家とは

●倒壊のおそれがある極めて危険な状態
●著しく衛生上の危険性がある状態
●適切な管理がおこなわれず、景観を損なっている状態
●周辺の生活環境の維持に影響を及ぼすおそれがある状態


「特定空き家」とは、危険性が極めて高い物件のことです。
全国には約800万戸の空き家があるとされていますが、特定空き家の除去は5年間で約1.2万物件に過ぎませんでした。
しかし、2023年の改正により、「管理不全空き家」も特例措置の対象外となることが決定しました。

管理不全空き家とは

放置されていると「特定空き家」になる可能性がある物件
つまり、特定空き家より前の状態でも、「管理不全空き家」として指定され、固定資産税が6倍に増税される可能性があります。
これにより、条件が厳しくなったことが明らかです。

空き家の固定資産税が6倍になるまでの流れとタイミング

空き家の固定資産税が6倍になるまでの流れとタイミング

「特定空き家」や「管理不全空き家」に指定後、すぐに固定資産税の特例措置が終了するわけではありません。
続いて、「特定空き家」や「管理不全空き家」の指定後、固定資産税が6倍になるまでの流れと、いつから増税されるのか、そのタイミングについて解説します。

固定資産税が6倍になるまでの流れ

「特定空き家」や「管理不全空き家」に指定されると、固定資産税の減額が解除されるまで、以下のような流れになります。

●指定
●助言・指導
●勧告
●命令
●行政代執行


「指定」を受けると、行政からは空き家の適切な管理について「助言・指導」がおこなわれます。
この段階で、住宅の解体や修繕、樹木の剪定や撤去などを行い、助言や指導に適切に対応することで、「特定空き家」や「管理不全空き家」の指定を解除できます。
しかし、それに従わない場合、「勧告」を受けることになるのです。
その勧告を受けると、「特定空き家」に指定されることとなり、固定資産税の特例措置の対象外になります。

固定資産税が6倍になるタイミング

特定空き家に指定されると、指定された翌年から固定資産税の特例措置の適用がなくなります。
小規模住宅用地(200㎡以下)には、1/6の減額が適用されますが、特定空き家に指定された場合、この減額は適用されません。
その結果、固定資産税は指定される前の6倍になります。
また、地域によっては都市計画税も課税されます。
都市計画税にも特例措置がありますが、「特定空き家」に指定されると1/3の減額が適用されなくなるのです。
したがって、都市計画税は、指定される前の3倍になることになります。

空き家の固定資産税を6倍にしないための対策

空き家の固定資産税を6倍にしないための対策

「空き家等対策の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律」が2023年に改正されたことにより、放置している空き家の対策を考えるている方も多いでしょう。
最後に、固定資産税が6倍になるのをためには、どのような対策があるのか解説します。

対策①行政の指示を無視せず指定を解除する

「管理不全空き家」の指定を受けると、助言・指導の段階であれば行政の指示に従い、修繕することで指定解除となります。
指定が解除されれば、固定資産税に関しては従来通りの特例措置が適用されます。
また、助言や指導に基づいてリフォームを行うことで、自己居住や賃貸、売却などの選択肢が広がるでしょう。
リフォームによって固定資産税の特例措置が適用されるだけでなく、例えば賃貸物件とする場合は、固定資産税が不動産事業の経費の一部になります。
将来的な税金やコストを考慮すると、空き家を放置するよりもリフォームするほうがメリットが大きい可能性もあるため、まずは検討する価値があります。

対策②売却する

空き家を維持する費用を抑えたい場合には、土地ごとまとめて売却を検討することをおすすめします。
空き家にかかる費用には固定資産税だけでなく、管理や維持のための費用もありますが、土地ごと売却することで、これらの費用負担を全てゼロにできます。
とくに、相続した家が空き家の場合、その売却で得た所得のうち3,000万円までが非課税となる特例を利用可能です。
この特例措置は、相続が開始した日から3年を経過する年の12月31日までが期限となっていますので、早めに売却を検討しましょう。

対策③空き家を解体して更地にする

空き家を解体して更地にし、売却や管理する方法もあります。
古い空き家が建っている状態よりも、解体して更地にすることで、売却がしやすいといったメリットがあります。
ただし、建物の状態によってはリフォームして売却したほうが良い場合もありますので、解体を検討する前に弊社のような不動産会社にご相談ください。
更地での管理は維持しやすく、不法侵入などの犯罪に悩まされる心配もなくなります。
しかし、更地でも固定資産税は毎年かかるため、売却や駐車場などの土地活用がおすすめです。

まとめ

空き家の固定資産税は、「特定空き家」や「管理不全空き家」として勧告を受けることで、住宅用地の特例措置から除外されてしまいます。
固定資産税を6倍に増税しないためにも、行政の指示を無視せず指定を解除したり、空き家を解体して更地にしたりすることを検討すると良いでしょう。
将来的に空き家を活用する予定がないのであれば、売却がおすすめです。


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