相続における遺留分侵害額請求とは?遺留分減殺請求との違いも解説

相続における遺留分侵害額請求とは?遺留分減殺請求との違いも解説

テレビドラマなどを見ていると、「遺産はすべて世話になった○○さんに譲る」といった遺言が出てくることがあります。
たとえ故人に配偶者や子どもがいる場合でも、このような遺言は成立するのでしょうか。
実際には、故人の配偶者や子どもなどには、遺留分と呼ばれる一定の遺産を受け取る権利があります。
そこで今回は、遺留分を侵害された場合におこなう「遺留分侵害額請求」について、概要や遺留分減殺請求との違い、請求方法などを解説します。

相続前に要チェック!遺留分侵害額請求とは?

相続前に要チェック!遺留分侵害額請求とは?

相続発生時に、あまり公平とはいえない遺言書が見つかることがあります。
たとえば「5,000万円の預貯金を長男に、軽自動車1台を次男に譲る」「財産はすべて愛人のために遺す」「遺産全額を自治体に寄付する」などです。
しかし相続には「遺留分」が定められています。
遺留分とは、一定の相続人のために、かならず残しておかなくてはならない遺産の割合のことです。
「一定の相続人」には、故人の配偶者、子ども(すでに亡くなっている場合は孫など)、親(すでに亡くなっている場合は祖父母など)が該当します。
故人の兄弟姉妹や甥姪は該当しないため、注意しましょう。
遺留分侵害額請求とは、遺留分を受け取れるはずの方が遺留分を侵害された際に、金銭での清算を求めることです。
遺留分を侵害された本人のほか、遺留分を侵害された方の相続人も遺留分侵害額請求をおこなえます。
遺留分侵害額請求の時効は、遺留分侵害を知った日から1年間です。
遺留分が侵害されていることに気が付かない場合でも、相続の開始から10年が経過すると時効が完成します。

遺留分の侵害はなぜ起こる?

遺留分の侵害が起こる原因としては、「遺言」「生前贈与」「死因贈与」が挙げられます。
「遺言」は先ほど例に挙げたように、あまりにも不公平な遺言が作成されていたケースです。
「生前贈与」も遺留分侵害の対象であり、故人が存命中に特定の相続人や第三者に贈与をおこなったことにより、遺留分が侵害されたケースなどが該当します。
「死因贈与」とは、「私が死んだら全財産を譲ります」などのように、存命中に死をきっかけとした贈与を約束することです。
なお、複数の原因により遺留分が侵害されている場合は、まずは遺贈を受けた方、それでも足りない場合は死因贈与を受けた方、生前贈与を受けた方に対して、順番に請求をおこないます。

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遺留分侵害額請求と遺留分減殺請求の違いとは

遺留分侵害額請求と遺留分減殺請求の違いとは

「遺留分減殺請求なら聞いたことがあるが、遺留分侵害額請求は初耳だった」という方もいるのではないでしょうか。
遺留分侵害額請求は、かつて遺留分減殺請求と呼ばれていた制度が、民法改正とともに名称も変更されたものです。
そのため、遺留分侵害額請求の前身が遺留分減殺請求だといえるのですが、その内容には違いがあります。

違い1:清算方法

遺留分減殺請求では、遺産の現物返還での清算が原則でした。
預貯金などであれば、侵害してしまった金額を相手方に渡せば済みます。
しかし遺産が不動産の場合は、物理的に分けることができません。
そのため、返還したとしても遺留分を侵害した方とされた方の共有状態となるケースが多く、双方が不満を抱きやすい状態となっていました。
新たな不満やトラブルが生じないように、遺留分侵害額請求では「金銭での清算」を原則としています。

違い2:支払い猶予

遺留分減殺請求では、請求がおこなわれたら即座に返還しなくてはなりませんでした。
原則として現物返還であり、相続した財産を相手方に渡すだけで良かったためです。
しかし遺留分侵害額請求では金銭での清算に限定されたため、金銭状況によっては即時返還ができない可能性があります。
そのため、金銭の用意が難しい方は、裁判所に全額もしくは一部の支払い期限の猶予を求めることが可能になりました。

違い3:生前贈与の対象期間

先ほどお伝えしたとおり、生前贈与によって遺留分を侵害されるケースもあります。
遺留分減殺請求では、請求の対象となる生前贈与の期間が設定されていませんでした。
しかし、何十年も前の生前贈与まで対象にしてしまうと、遺留分の計算がややこしくなり、手続きがスムーズに進みません。
過去に対する請求を原因とした新たなトラブルも生じやすくなっていたため、遺留分侵害額請求では、生前贈与の対象期間を「死亡前10年間」に設定しています。

違い4:対象となる相続発生日

遺留分侵害額請求が適用されるのは、2019年7月1日以降に発生した相続のみです。
2019年6月30日以前に発生した相続については、たとえ請求日が2019年7月1日以降であっても、遺留分減殺請求が適用されます。
遺留分侵害額請求と遺留分減殺請求には上記のような違いがあるため、どちらが適用されるのか間違えないように注意しましょう。

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相続後の遺留分侵害額請求の方法とは?

相続後の遺留分侵害額請求の方法とは?

親族といえども、財産のやり取りはデリケートな話題です。
万が一関係者に第三者がいる場合は、なおさらトラブルが生じやすくなります。
不要なトラブルを避けるためにも、遺留分侵害額請求の方法を確認し、いざという時にスマートに行動に移せるようにしておきましょう。

①話し合う

遺留分を侵害されたと感じたら、まずは関係者で話し合ってみましょう。
相手方がスムーズに納得するケースもありますが、金銭のやり取りとなるため、トラブルが生じやすい状況です。
とくに金銭にまつわる部分は弁護士などに相談しながら、客観的な視点での話し合いを心掛けましょう。
話がまとまったら合意書を作成し、侵害された遺留分を受け取ります。

②内容証明郵便を送る

なかなか話し合いがまとまらないケースでは、時効を消滅させるために内容証明郵便を送りましょう。
どのような内容を、いつ誰が誰に宛てて送ったのかが公的に証明できるため、請求する意思があることを示せます。
内容証明郵便には、被相続人の氏名、遺留分を侵害している行為の種類(遺言など)、請求をおこなう方の名前、請求をおこなう旨を明記しましょう。
話し合いの前に遺留分侵害額請求の時効が迫っているケースでは、まず内容証明郵便を送ったうえで、話し合いに進むことが大切です。

③「遺留分侵害額の請求調停」を申し立てる

どうしても話し合いがまとまらないケースや、そもそも話し合いを拒否されるケースは、裁判所に「遺留分侵害額の請求調停」を申し立てましょう。
仲介委員会が双方の意見を聞いたり、当時の資料を参考にしたりして、話し合いを仲介します。
申立先は、相手の住所地を管轄する家庭裁判所か、双方が合意して定めた家庭裁判所です。

④「遺留分侵害額請求訴訟」を申し立てる

遺留分侵害額の請求調停でも合意が得られない場合は、遺留分侵害額請求訴訟を申し立てることになります。
申立先は遺留分の金額によって異なり、140万円以下であれば簡易裁判所、140万円を超える場合は地方裁判所です。
訴状のほか、遺言書の写しや送付した内容証明郵便、被相続人と相続人の戸籍謄本など、多くの書類を用意して臨まなくてはなりません。

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まとめ

遺留分侵害額請求とは、遺留分を侵害された方が、遺留分を侵害した方に対して、金銭での清算を求めることです。
かつては遺留分減殺請求と呼ばれていましたが、清算方法や生前贈与の対象期間などに違いがあります。
請求日にかかわらず、2019年6月30日までに発生した相続には遺留分減殺請求が、2019年7月1日以降に発生した相続には遺留分侵害額請求が適用されるため注意しましょう。
遺留分を侵害されたと気づいたら、まずは関係者で話し合ったり、内容証明郵便を送ったりすることが大切です。


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