2024-07-26
自宅を売ろうと検討しているシニア層の中には、怖い目に遭ったりだまされたりしないかと不安を覚えている方もいるかもしれません。
不動産売却時に実際に起きたトラブルを把握しておくと、自身が売りに出す際に役立ちます。
この記事は、高齢者の不動産売却時にトラブルが増加している件に加え、実際の事例や回避する方法の解説です。
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近年、高齢者が不動産を売る際にトラブルに遭う頻度が増加しており、国民生活センターからも注意するよう呼びかけています。
高齢者のトラブルが増加している現状は、全国の消費生活センターなどに寄せられる相談割合が増加している点からもわかります。
この調査によると、2020年度にはすべての相談のうち70歳以上の割合が実に52.3%となっており、高いと言えるでしょう。
このように高齢者不動産売却における問題が増えているのは、次のような理由と分析しています。
不動産業者のなかには、判断能力の低下が疑われる高齢者を対象に、突然電話をかけたり家を訪ねたりして勧誘する悪質な業者もいます。
突然勧誘されてきちんと理解できず、また確認できない状況で、言われるままに契約してしまう方も少なくありません。
あとになって家族や周囲が気付いても、契約内容やそこに至った経緯や原因を特定できず、解約に応じてもらえないケースがあります。
長寿大国を迎えた日本ですが同時に認知症の症状を発症する方も増えているのが、高齢者がトラブルに巻き込まれる要因です。
認知症が進むと先述したケースと同じように判断能力が低下してしまうため、勧誘された内容をきちんと理解せずに契約してしまう可能性があります。
突然家を訪れたまま、長時間にわたって玄関口に居座ったり勧誘し続けたりする悪徳業者もあとを絶ちません。
迷惑に思いつつも毅然とした態度で断れない高齢者も多く、半ば根負けするような形で契約に応じてしまう方もあり、あとで解約できずに困るケースが見受けられます。
はっきり断れないためにトラブルに遭う高齢者が増えており、安易に売却の契約をしてしまうと、自宅売却の契約にはクーリング・オフが適用されない点に注意が必要です。
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自分が不動産を売る際にトラブルに遭わないためにも、とくに多いパターンを把握しておきましょう。
ここでは実際にあった高齢者のトラブル事例をご紹介します。
一人暮らしをしている80代の女性のもとに2人の不動産業者が訪ねてきて、自宅を売らないかと勧めてきました。
女性は今すぐに自宅を手放す気はなかったため断ったものの、2人はなかなか帰ってくれません。
それどころか、不動産業者の2人は毎日のように女性宅を訪れ、午前10時から夜遅くまで長時間にわたって居座り続けました。
連日の来訪にとまどい、気弱になってしまった女性は、とうとう売却に応じて業者が用意してきた書類にサインと捺印をしてしまいます。
どのような内容の書類だったのか思い出せないため、女性が売却を取り消してほしいと訴えても、聞き入れてもらえませんでした。
70代の女性宅に不動産業者が訪れ、女性の住むマンションが10年後に取り壊されると言ってきましたが、実際は嘘の説明でした。
女性は取り壊しの嘘の説明を信じてしまい、不動産業者に提示された額で売却を決めてしまいますが、実際はもっと高値で売れる物件だとあとで判明します。
嘘の説明だったとわかった女性が業者にキャンセルしたい旨を申し入れましたが、業者から支払われた手付金を受け取っている引け目もあり、諦めるしかありませんでした。
判断能力が低下していた女性はその場で嘘を見抜けず、あとで知り合いに話して事実を理解したわけですが、一度契約してしまうとキャンセルは難しいのが現実です。
70代の男性が不動産仲介業者を利用し、自宅を売却しました。
物件引渡後に業者から連絡が来て、男性の売った自宅について検査した結果、シロアリがいたと報告を受けます。
建物のシロアリ駆除が必要だったため、駆除にかかった費用を支払うように言われ、高額なシロアリ駆除費用を請求されてしまいました。
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高齢者の中には、判断能力が低下したり、気弱になりやすい方もいらっしゃいます。そのような状況を利用して不適切な勧誘をおこなう事例が一部に存在します。
大切な自宅の売却で痛い目に遭わないよう、トラブルを回避する方法を高齢者自身が把握しておくのが重要です。
ここからはトラブルを回避する方法と注意点について解説しますので、ぜひ参考にしてください。
業者が訪れて自宅を売るように勧めてきても、説明がよく分からなかったり内容が理解できなかったりした場合は、理解できるまで説明を求めましょう。
不動産の売却は高齢者でなくてもわかりにくく、複雑な仕組みになっているため、来訪されてその場で決断を迫られても、すぐには決められないのが普通です。
一度決めてしまうとキャンセルが難しいため、納得できない場合は契約しないようにするのが大切です。
また、自分だけで対応し、決断しようとすると、正しい判断をできない可能性もあるため、家族や信頼できる友人に一緒に立ち会ってもらって話を聞くのをおすすめします。
相談できる方が周りにいないときには、弁護士などの専門家に相談してもいいでしょう。
家に来た業者に対して、検討してみる、家族と相談してみるなどの答え方をすると、売る可能性があると受け取られます。
その結果、毎日のように業者が家を訪れて朝から夜まで長時間にわたって居座り、勧誘し続けるケースもあります。
ここで気弱になり業者の言うとおりに契約してしまうと、後悔することになるでしょう。
家を売りたくない場合は、売る気はないと業者にはっきり断るのが大切で、今後勧誘目的の来訪はやめてほしいときちんと伝えましょう。
業者に面と向かって断る自信がない方は、知らない誰かが訪問してきたらインターホン越しに受け答えをし、玄関を開けないようにする方法をおすすめします。
自宅を売却する契約をしてしまった場合、クーリング・オフできない点はよく覚えておきたい注意点です。
だまされたと分かっても一度契約を交わしてしまったら、ペナルティなしにキャンセルするのはほぼ不可能です。
売主側の理由によって売却をキャンセルする場合は、あらかじめ買主から受け取っていた手付金を返すとともに、手付金と同額のお金を支払わなければなりません。
また、手付解除期間を過ぎた場合は契約内容に応じて違約金が発生する可能性もあり、支払うお金がさらに高額になります。
家を安く買いたたかれたり、契約をキャンセルするために高額な費用を支払ったりするのを防ぐためにも、よくわからないまま家の売却を契約しないよう気を付けましょう。
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近年、高齢者の不動産売却トラブルが増加しており、判断能力の低下や認知症、毅然とした態度で断れないなどがその理由です。
実際にあったトラブル事例で多いのは、長時間の居座りや嘘の説明、シロアリ駆除費用の高額請求などがあります。
自宅の売却にはクーリング・オフが適用できないため、納得できない場合は契約しない、売る気がない場合ははっきり断るのが、トラブルを回避する方法です。
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