2023-06-23
さまざまな事情により住宅ローンが滞納状態となり、自己破産に至るケースは珍しくありません。
このとき、不動産を少しでも高く売却して負債を減らしたいとお考えの方もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、自己破産にともなう不動産売却のタイミングや、住宅ローンの取り扱いについて解説します。
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自己破産にともなって不動産売却するときは、破産手続きの前後いずれかのタイミングで売却します。
それぞれどのような流れで売却を進めていくのかを確認していきましょう。
自己破産後の不動産売却は、以下の2パターンに分かれます。
裁判所が選任した破産管財人が不動産売却する
破産者が不動産などの高額な資産を有していると、管財事件として手続きがおこなわれます。
不公平な弁済や財産隠しを防ぐため、破産管財人が資産状況を調査したうえで不動産売却し、債権者に対しては可能な限り債務を履行することを目的としています。
そして売却できるすべての資産の整理が終わると、裁判所が免責許可決定して自己破産が確定します。
破産管財人が選任されず自身で不動産売却する
高額な資産を有していないとなどの状況によっては、破産管財人が選任されない場合もあります。
たとえば、住宅ローンの残債が不動産の売却額を上回るオーバーローンのときには、破産管財人が選任されず自身で不動産売却することが一般的です。
このケースでは、破産手続きの開始と同時に破産が確定します。
なお、不動産売却によって得られた売却金は抵当権を設定する抵当権者が回収するのが一般的です。
抵当権者が抵当権を実行し、不動産を競売にかけて債権を回収することも珍しくありません。
競売にかけられると、相場の6割~7割での売却価格となる傾向にあります。
競売を避けるためにも、任意売却などの方法を目指すことになるでしょう。
前述のように、自己破産後の不動産売却は必ずしも自身でおこなえるケースばかりではありません。
しかし自己破産前であれば、自分自身で不動産売却が可能です。
通常、不動産を所有している状態での破産申告には資産状況に応じた与納金が発生します。
数十万円単位と高額になることもあるため、あらかじめ不動産を売却処分できれば、管財事件とならず与納金も発生しません。
自己破産前の不動産売却は、財産隠しにあたると判断されるリスクがあります。
もし財産隠しであると認定されれば、免責不許可事由となり自己破産による債務免除が認められません。
それだけでなく詐欺罪が適用される恐れもあるため、弁護士などの専門家に相談しながら不動産売却を進めるかどうかを検討しましょう。
財産隠しでないことを示すためには、以下のポイントにご注意ください。
●破産管財人が不動産売却したときと同等程度の配当原資を確保する
●破産管財人が不動産売却をおこなった場合の金額を証明する(不動産鑑定や査定書を取得する)
過去の不動産売却は、約2年までさかのぼって調査がおこなわれます。
そのため、不動産売却から2年以内に自己破産する際もご注意ください。
自己破産前の不動産売却は、管財事件になることを避けられるだけでなくいくつかのメリットがあります。
不動産売却には、仲介手数料や各種税金(印紙税、登録免許税、所得税、住民税など)のようにさまざまな費用がかかります。
自分で売却すればこれらを経費にできるため、不動産売却にかかる自己負担を軽減できるメリットがあります。
自己破産しなければならないときは、住宅ローンも滞納状態に陥っていることが多いでしょう。
滞納状態が続けば、最終的には抵当権者により競売にかけられてしまいます。
競売では、相場価格よりも低い金額で落札されることが一般的です。
しかし自己破産前に任意売却できれば、競売よりも高く売却できる可能性があります。
任意売却とは、借入先の金融機関の同意のもと、オーバーローンでも通常の流れで不動産売却する方法のことです。
相場価格での取引が期待できるため、競売よりも高く売れるでしょう。
自己破産には、弁護士への依頼や各種手続きに費用がかかります。
そこで自己破産前に不動産売却すれば、これらの費用を倍棄却金から工面できる場合があります。
交渉次第では新居へ引っ越す費用も確保できることがあるため、スムーズで生活再建の足がかりとなるでしょう。
自己破産しても、生活再建に必要な最低限の動産を保有することは認められています。
金銭面では、標準的な世帯における2か月分の生活費として66万円が差し押さえの対象外です。
自己破産する段階で住宅ローンを完済していれば、通常の方法での不動産売却か可能です。
しかし自己破産しなければならない状況のときには、住宅ローンも返済中であるケースは珍しくありません。
このようなケースでは、ローンの状況によって扱いが変化します。
住宅ローンの残債がないときには、不動産売却自体は通常の流れでおこなえます。
そしてアンダーローンのときにも、売却金で残債を完済できるため通常の不動産売却が可能です。
しかし自己破産時の注意点として、所有する財産は債権者への配当資金として確保しなければなりません。
不動産もその一つであり、自己破産前に売却処分すると財産隠しと判断されてしまう恐れがあります。
また、売却金を一部の債権者にのみ支払うといったこともできません。
自己破産においては、すべての債権者を平等に扱うという決まりがあるためです。
そのため、自己破産前の不動産売却を自己判断でおこなうのは控えましょう。
売却金が住宅ローンの残債を上回るオーバーローンなら、不動産売却しても財産隠しになることはありません。
売却金は抵当権者が回収するもので、ほかの債権者には配当されないためです。
ただし、オーバーローンの不動産を処分するには、借入先の金融機関の承諾を得る必要があります。
任意売却による手続きとなるため、通常の不動産売却とは異なる点に注意しましょう。
任意売却とは、住宅ローンの返済が滞り抵当権を抹消できない不動産を、金融機関の承諾を得たうえで売却する方法のことです。
競売よりも高く売却できるため、金融機関にとってもより多くの債権回収が見込めます。
売買契約や物件を引き渡すタイミングは買主との交渉で決まり、引っ越しのスケジュールを立てやすい特徴もあります。
さらに、売却金から引っ越しにかかる費用を差し引ける場合もあるので、金銭的な負担を顕現できるのも任意売却のメリットです。
ただし、一定の期間内に不動産売却が成立しないと、最終的には競売にかけられてしまいます。
そのため、任意売却をご希望の場合は、なるべく早い段階で金融機関に相談するのがおすすめです。
自己破産をともなう不動産売却について、売却のタイミングや住宅ローンの注意点とともに解説しました。
任意売却や競売以外の方法で売却するときは、財産隠しと認められないようにする必要があります。
債権者への配当資金なども確保しなければならないため、弁護士などの専門家と相談しながら不動産売却を進めていくことをおすすめします。
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