2023-07-06
不動産を売却するときは、さまざまな書類が必要です。
検査済証もそのうちの1つですが、物件によってはない可能性が考えられます。
そこで今回は不動産の売却をご検討中の方に向けて、検査済証とはどのような書類なのか、売却で重要になる理由やない場合の対処方法などもふまえてご説明します。
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検査済証とは、建物が建築基準法やそのほかの法律にしたがって建てられていることが確認できた場合に交付される書類です。
検査済証があると、その建物が法律に違反していないことを証明できます。
建物の検査済証は、以下の流れで取得します。
●工事着手前に建築確認申請書を提出する
●建築計画に問題のないことが確認されると「確認済証」が交付される
●工事の途中で中間検査をおこない、合格すると「中間検査合格証」が交付される
●建物が完成したら、4日以内に完了検査申請書を提出する
●完了検査がおこなわれ、合格すると「検査済証」が交付される
確認済証がないと工事に着手できず、中間検査に合格しないとそのあとの工程を進めることができません。
つまり、検査済証の交付までには3つの検査に合格する必要があるのです。
そして、最後に交付される検査済証がないと、ほかの2つの書類があっても建物が法律にしたがっていることを証明できないので注意しましょう。
検査済証は重要な書類であり、現在は完了検査受験率が90%を超えています。
そのため、最近完成した建物なら、検査済証はあると考えられるでしょう。
ただ、以前は今ほど受験率が高くはなく、国土交通省のガイドラインによると受験率が50%を超えたのは平成12年でした。
つまり、築20年を超える物件は検査済証がないケースも多いと考えられます。
そして平成10年の受験率が38%、それより前は20%以下であったため、完成から年月が経っている物件ほど検査済証がない可能性が高まるでしょう。
検査済証がなくても、すでに完成している建物に住んでいる場合は、普段の生活において問題を感じることはそれほどありません。
ただ、完成した建物にこれから住む場合は、検査済証が必要です。
また、不動産を売却するときや改築をするときにも、検査済証を求められるでしょう。
ほかにも、「防火地域や準防火地域での増築」「防火指定外地域の10㎡以上の増築」「200㎡以上の用途変更」などをする場合は必要です。
不動産を売却する際は、検査済証があるかどうかが重要なポイントです。
検査済証がない不動産でも売却はできますが、通常よりも難しくなる可能性があるので注意が必要です。
検査済証がないと不動産の売却が難しくなるおもな理由には、以下の3つが挙げられます。
●違法建築物の疑いが消えない
●住宅ローンを使えない可能性がある
●大規模なリフォームができない
これらの理由と検査済証の重要性について、ご説明します。
違法建築物とは、建築基準法などの法律に違反している建物のことです。
たとえば、建ぺい率超過や容積率超過、接道義務違反などは違法建築物に該当します。
検査済証がないと、これらに違反していない証明ができません。
証明できない建物すべてが違法建築物に該当するわけではありませんが、買主にとっては大きな不安要素となるでしょう。
もし購入した物件が違法建築物だった場合は買主にも責任がおよび、行政指導や是正命令を受けることがあります。
そのため、検査済証がない物件は購入希望者がなかなか現れず、不動産売却に時間がかかってしまう可能性が高いでしょう。
不動産は高額なので、購入する際は住宅ローンを利用することが一般的です。
けれども、購入予定の不動産が違法建築物の場合は、金融機関に融資してもらえない可能性があります。
なぜなら、融資をすると違法建築物が残り続けてしまい、金融機関にコンプライアンスの問題が発生するからです。
そのため、住宅ローンを利用する際は検査済証が求められ、ない場合は融資を受けることが難しいと考えられます。
すると、検査済証がない物件は住宅ローンを必要としない方しか購入できず、対象者が限られてしまうので買主が見つかりにくいでしょう。
先述のとおり、改築や増築、用途変更などをする場合は検査済証が求められます。
そのため、検査済証がない物件は、リフォームやリノベーションができないかもしれません。
検査済証が求められる理由は、大規模なリフォームやリノベーションをする際は、着工前に建築確認申請が必要になるからです。
建物が法律にしたがっていることが確認できないと、申請を受け付けてもらえません。
ですから、不動産を探している方がリフォームやリノベーションを考えている場合、検査済証がない物件は検討対象から外れてしまうでしょう。
検査済証がないと不動産売却が難航する可能性が高いため、検査済証は売却をスムーズに進めるために重要な書類だと言えます。
ただ、検査済証がない場合でも、違法建築物でなければ不動産売却は可能です。
違法建築物ではないことを証明する方法はおもに3つあるので、それぞれご説明します。
既存不適格建築物とは、建築された当時は適法だったのに、そのあとの法改正によって法律に適合しなくなった建物のことです。
法律が施行される前から存在する建物は、施行後の基準に適合しなくても適法な建物であるとみなされます。
築年数が古い中古住宅などは、既存不適格建築物に該当することがわかれば、検査済証がなくても違法建築物ではないと証明できるでしょう。
建物が完成したときに検査済証を交付されていても、年月が経過すると紛失してしまうことがあるかもしれません。
検査済証は再発行できないので、そのような場合は台帳記載事項証明書を取得しましょう。
この書類には建物の情報や検査済証の交付年月日、番号や交付者などが記載されており、建物の適法性を証明できます。
市役所などで入手できるので、取得方法を確認しておきましょう。
法改正のあとに建築された建物で、完成時に検査済証を交付されていない場合は、建物を調査してもらう方法で適法性を証明しましょう。
専門家による調査結果があれば、何もしないよりもスムーズに売却できる可能性が高まります。
ただ、調査には費用や時間がかかるので、できるだけ早く売りたいときは不動産会社による買取もおすすめです。
買取とは不動産会社が物件を直接買い取る方法で、条件に合意するとすぐに取引が成立します。
買取価格は市場価格よりも下がりますが、買主を探すよりもスピーディーに売却できる可能性が高いので、必要に応じて検討してみましょう。
検査済証は、建物が法律にしたがって建築されたことを証明する書類です。
不動産売却時に重要な書類で、ない場合は買主がなかなか見つからないかもしれません。
ただ、ない場合でも不動産売却はできるので、ご説明した方法で違法建築物ではないことを証明しましょう。
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