2024-05-01
空き家の売却をご検討中の方のなかには、空き家が親名義になっているためどのように売却すれば良いのかわからず困っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
たとえ親の名義でも子が簡単に売却することはできないため、親名義の空き家の売却には注意が必要です。
この記事では、親名義の空き家を売却する方法や注意点などをご紹介します。
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親名義の空き家を売却する場合、本人名義の不動産と同じ方法で売却はできません。
親名義の空き家を売却する際の方法をご紹介します。
親名義の空き家を売却するもっとも単純な方法が、代理による売却です。
親が空き家の売却を承諾している場合、子が代理人となり親に代わって空き家を売却できます。
代理人になるには、たとえ親子であっても親本人の記名押印がある委任状が必要です。
代理人は不動産の売却価格などの判断能力を有するため、親がすべての決定権を代理人に委ねることを不安に感じるケースもあるかもしれません。
そのような場合には、委任状にあらかじめ売買金額などの条件を記載しておき、代理人の判断要素を最低限にとどめるのがおすすめです。
子が代理人となって空き家を売却する場合、必ず一度親への意思確認である本人確認がおこなわれます。
この本人確認は、買い手のリスクを軽減させるためにおこなわれるものです。
もし売り手が本当の代理人ではなかった場合、代金をだまし取られてしまうリスクがあるからです。
買い手にとって代理人との不動産売買はリスクが大きいため、事前に本人確認がおこなわれることを把握しておきましょう。
実家の名義人である親がすでに亡くなっている場合は、空き家を相続して名義変更をすれば通常と同じように売却できます。
相続した空き家を売却するには、相続登記が必要です。
相続した物件は登記の変更義務がないため、相続後も名義が親のままになっているケースは少なくありません。
しかし、相続した物件を売却するには、法務局にて相続登記を申請して名義を変更する必要があります。
相続登記の手続きは個人でもできますが、内容に不備があると余分な相続税が課される可能性があるため、司法書士などに依頼するのがおすすめです。
相続登記を司法書士に依頼した場合、報酬の相場は5万円~10万円程度が目安です。
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親名義の空き家を売却する方法の1つが、子が代理人となって売却することです。
しかし、代理での売却は親が意思表示ができることを前提としているため、親が認知症になった場合には代理での売却ができません。
そのような場合には、成年後見制度の利用がおすすめです。
成年後見制度とは、認知症などで判断能力が低下した方の財産管理などを法的に保護・支援する制度です。
適切な判断ができなくなると、悪意を持った相手にだまされて不利な契約を結ばされてしまうおそれがあります。
そのようなトラブルに巻き込まれないよう、本人をサポートする「後見人」を選定して不利益を受けないようにするのが制度の目的です。
成年後見制度は、後見人の選び方によって「任意後見制度」と「法定後見制度」の2種類にわけられます。
任意後見制度とは、将来判断能力が落ちたときに備えて、判断能力があるうちにあらかじめ任意後見人を選んでおく制度です。
任意後見制度で後見人を選ぶ場合、本人と任意後見人の間で委託する内容を定めて任意後見契約を結び、家庭裁判所で申し立てをおこないます。
任意後見人を監督する「任意後見監督人」の審判が家庭裁判所で確定すると、任意後見人は契約に定められた財産管理などをおこなうようになります。
子を任意後見人にすることも可能ですが、判断能力があるうちに契約を結ぶ必要があり、認知症になったあとでは制度の利用ができない点がデメリットです。
なお、任意後見人が制度を利用して親名義の空き家を売却するには、家庭裁判所と任意後見監督人の許可が必要になります。
法定後見制度とは、判断能力に衰えがある方を支援するために、家庭裁判所などによって後見人などが選ばれる制度です。
本人の判断能力に応じて後見・補佐・補助の3つにわかれ、不動産取引の際の役割はそれぞれ異なります。
法定後見制度では、後見人などの候補者として子を推薦できます。
しかし、親が資産を多く保有しているケースなどでは弁護士や司法書士が選ばれるケースが多く、推薦された子が後見人などに選ばれるのは難しいのが現状です。
また、もし子が後見人に選ばれたとしても、候補者の推薦の申し立てから売却までは半年から1年以上かかるケースもあるなど、売却には長い時間がかかります。
法定後見制度を利用する場合は、必要書類に抜けや誤りがないよう慎重に準備をしながらもスピーディーに手続きを進めましょう。
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親名義の空き家を売却する際には、注意しておきたい点がいくつか存在します。
売却後のトラブルを防ぐためにも、注意点を事前に把握しておきましょう。
空き家を売却する前に、隣の土地との境界を明確にしておきましょう。
古くから建物が建っている土地は境界線があいまいなケースが多く、売却後に隣の土地の所有者とトラブルになるケースも少なくありません。
また、購入後にトラブルに発展するリスクを避けたいとの思いから、買い手が付きにくくなってしまう可能性もあります。
売却予定の空き家が建っている土地の境界線確認が済んでいない場合には、境界線確認を済ませてから売却を進めましょう。
親名義の空き家の売却は、売却の時期も重要なポイントです。
親の生前に贈与を受けてから売却すれば、手続きはスムーズに進みます。
しかし、不動産の贈与を受けると贈与税の負担が大きくなってしまうのがデメリットです。
一方、親の死後に相続する場合、相続税の不動産評価額は時価よりも安いうえに特例や控除も利用できるため、贈与税と比較すると税負担は大きく減ります。
しかし、相続による遺産分割は相続人同士で意見が対立する可能性があり、必ずしも思いどおりに遺産分割が進むとは限りません。
親の生前であれば親の意見を聞きながら売却の時期を決められるため、メリット・デメリットを踏まえてタイミングを検討しましょう。
中古住宅を売却するうえで、買い手に対して契約不適合責任が発生する点は注意すべきポイントの1つです。
契約不適合責任とは、契約書への記載がない水漏れやシロアリ被害があるなど、売却した物件が契約内容を満たしていない場合に売主に問われる責任を指します。
契約不適合責任を問われると、補修費用の支払いや契約解除、損害賠償請求などを受けるリスクがあります。
親名義の空き家の状態をあまり確認せずに売却してしまうと、契約不適合責任を問われる可能性が高くなるため注意が必要です。
売却前に空き家の状態を正確に把握し、買い手や不動産会社にしっかりと告知しましょう。
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親名義の空き家はそのままでは売却できないため、代理で売却したり相続して売却したりする必要があります。
親が認知症になった場合は、成年後見制度を利用して売却するのも手段の1つです。
親名義の空き家を売却する際には、境界線の問題を解決しておくなどの注意点を把握したうえで売却し、トラブルを回避しましょう。
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