2024-04-23
不動産売却をすると、税金を課されるケースがあります。
しかし、「3,000万円控除」という特例を利用すれば、税金の負担を軽減できることをご存じでしょうか?
そこで今回は、3,000万円控除とはどのような特例なのかについて、利用の要件や、特例を利用できるさまざまなケースを解説します。
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不動産売却をして利益を得ると、利益の部分に対して税金が課されます。
譲渡所得税という税金です。
しかし、「3,000万円控除」を利用すれば、不動産売却による利益を最大3,000万円まで控除することができます。
3,000万円特別控除とは、居住用財産を売却した場合に、一定の要件を満たしていれば譲渡所得を最大3,000万円まで控除できる特例です。
つまり、不動産売却で得た利益が3,000万円以下であれば、譲渡所得がゼロになるため税金はかかりません。
譲渡所得が3,000万円を超えていた場合は、3,000万円を控除したあとの金額に対して税金が課されます。
なお、「譲渡所得」とは、不動産売却で得た純粋な利益のことです。
不動産の売却価格そのものを指す言葉ではないので注意してください。
譲渡所得税とは、不動産を売却した際の譲渡所得に対して課される税金です。
課税対象となる譲渡所得は下記の計算式で求めることができます。
課税譲渡所得=不動産の売却価格-(取得費+譲渡費用)-特別控除の3,000万円
取得費とは「不動産を購入する際にかかった費用」、譲渡費用とは「不動産を売却する際にかかった費用」です。
また、譲渡所得税の税率は、売却する不動産を所有していた期間によって異なります。
所有期間が5年以下の「短期譲渡所得」に該当する場合は税率39.63%、所有期間が5年超の「長期譲渡所得」に該当する場合は税率20.315%です。
なお、所有期間については、不動産売却をした日ではなく「不動産売却をした年の1月1日」の時点でカウントされるので注意しましょう。
たとえば、2020年2月に取得した不動産を2025年3月に売却した場合、実際の所有期間は5年を超えていますが、譲渡所得税の計算時には所有期間4年と判断されます。
3,000万円控除の特例を利用する場合、不動産売却後の確定申告が不可欠です。
不動産売却をした翌年の2月16日~3月15日の期間中に、確定申告と特例の申請をおこないましょう。
3,000万円控除を利用すれば税金がゼロになるケースでも、まずは確定申告をしなければ控除を受けられないので注意してください。
確定申告の際に必要になる主な書類は下記のとおりです。
●確定申告書・譲渡所得の内訳書
●戸籍の附表の写し
●不動産を購入した際と売却した際の売買契約書のコピー
●マイナンバーか住民票の写し
確定申告書は、お近くの税務署あるいは国税庁のホームページから入手できます。
戸籍の附表の写しは役所で取得しましょう。
確定申告の期間は約1か月と短いため、書類の手配が間に合わなくなるケースも珍しくありません。
特例を申請する場合は、スケジュールに余裕をもって準備を進めてください。
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不動産売却時に税金を軽減するための3,000万円控除は、税金の負担を大幅に軽減できる特例です。
しかし、この特例を利用するためには、国税局が提示しているいくつかの要件を満たす必要があります。
まず、売却する不動産が居住用財産(マイホーム)であることが必要です。
また、売却の前年か前々年に、3,000万円控除あるいは「マイホームの譲渡損失が出た場合の損益通算および損失の繰越控除の特例」を利用していないことが条件となります。
さらに、売却をした年とその前年、前々年に、「マイホームの買い換え」や「マイホームの交換」の特例を利用していないことも必要です。
売却した不動産が、「収用等の特別控除」といったほかの特例の適用を受けていないことも要件の一つです。
また、地震などの災害を理由に不動産を売却する場合は、住まなくなった日から3年後の12月31日までに売却することが求められます。
さらに、不動産の売主と買主が、親子や夫婦といった特別な関係にないことも必要とされます。
売却する不動産が居住用財産(マイホーム)だと見なされるためには、自分が現在、主に住んでいる家であることが必要です。
単身赴任の場合は、配偶者が住んでいる家であることが条件となります。
また、住まなくなってから売却する場合は、転居から3年後の12月31日までに売却することが求められるでしょう。
一方、3,000万円控除の適用(税金対策)を目的として入居した不動産、別荘などのように、趣味、娯楽、保養を目的として所有する不動産、仮住まいや一時的な入居をしただけの不動産は、特例が適用されないと明示されています。
3,000万円控除には適用のための要件が多いため、細かい要件の内容については国税庁のホームページで確認しておくと安心です。
不動産売却時に3,000万円控除の特例で税金対策ができるケースについては、自宅の不動産売却にも、いろいろなケースがあります。
「相続した親の自宅の売却」や、「マイホームを解体してからの売却」などがあります。
これらのケースでも3,000万円控除は適用される可能性があるでしょう。
ここでは、3,000万円控除が適用されるさまざまなケースについて解説します。
具体的なケースについては、専門家に相談することをおすすめします。
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自宅の不動産売却にも、いろいろなケースがあります。
「相続した親の自宅の売却」や、「マイホームを解体してからの売却」などです。
では、これらのケースでも3,000万円控除は適用されるのでしょうか。
ここでは、3,000万円控除が適用されるさまざまなケースについて解説します。
親から相続した実家などを売却する場合、いくつかの要件を満たしていれば譲渡所得の3,000万円控除を受けることができます。
特例適用のための主な要件は下記のとおりです。
●被相続人が自宅として住んでいた不動産であること
●昭和56年12月31日より前に建築された不動産であること
●相続が発生する直前において被相続人以外の居住者がいないこと
●令和9年12月31日までに売却すること
この特例を、「被相続人の居住用財産に関わる譲渡所得の特別控除」といいます。
なお、被相続人と同居していた配偶者が相続したケースでは、この特例は適用されません。
3,000万円控除は、原則として居住用の家屋を売却した場合に適用される特例です。
しかし、建物を解体してから売却する場合でも、次の要件を満たしていれば3,000万円控除を受けることができます。
●解体から1年以内にその敷地を売却する契約をしていること
●その家屋に住まなくなってから3年が経過する年の12月31日までに売却すること
●解体してから売買契約をするまでの期間に、人に貸し付けをしていないこと
売却前、土地を有効活用するために駐車場などにして第三者に貸してしまうと、この特例を利用できなくなるので注意してください。
複数人の共同名義で不動産を所有していた場合、おのおので特例の要件を満たしてさえいれば、所有者それぞれが自身の持ち分に対して3,000万円控除を受けられます。
ただし、土地の所有権しかなく建物部分の所有権を持っていない方は、この特例の適用対象外となるので注意しましょう。
また、確定申告や特例の申請もそれぞれが個別で進める必要があります。
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動産売却時の利益に対して課される譲渡所得税は、3,000万円控除を利用することで最大3,000万円まで控除可能です。
この控除は、要件を満たす居住用財産の売却に適用され、確定申告をおこなうことで受けられます。
また、特例の適用は、所有期間や売却の理由、売主と買主の関係など、さまざまな要件により異なります。
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