2024-11-30
不動産売却をする場合は、不動産会社に仲介を依頼することが一般的です。
不動産会社と結ぶ契約には種類があり、契約によって売却活動の形が変わることはご存じでしょうか。
そこで今回は、不動産売却における媒介契約とはなにか、そのメリットや注意点について解説します。
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不動産売却では、個人の買い手を見つけるにあたって、仲介役を不動産会社に依頼することが一般的です。
仲介業務をおこなう不動産会社は、宅地建物取引業法によって、依頼者に不利にならない売買契約を締結することが義務付けられています。
そこで、売却活動の内容や売却が成立した場合の報酬などについての契約をあらかじめ定めておく必要があります。
依頼者である売り手と不動産会社の間で締結する、この契約が「媒介契約」です。
媒介契約のなかでも、3つの種類の契約があります。
それぞれの契約の内容を見ていきましょう。
一般媒介契約とは、もっとも制限の少ない契約形態です。
同時に複数の不動産会社と契約ができ、自分で買い手を見つけた場合は、不動産会社の仲介なしで売却することもできます。
契約期間に規定はなく、当事者間で自由に定められますが、国土交通省の定める標準媒介契約約款にもとづいて3か月以内とするケースが一般的です。
レインズへの登録は任意で、不動産会社の販売状況の報告義務もないのが特徴です。
専任媒介契約とは、同時に複数の不動産会社との契約ができず、1社に絞られる形の契約です。
ただし、自分で買い手を見つけて、不動産会社の仲介なしに売却することは可能です。
契約の有効期限は3か月で、契約から7日以内にレインズへの登録義務があります。
不動産会社は、依頼者に対し14日に1回以上の販売状況の報告義務を負います。
専属専任媒介契約とは、3種類のなかでもっとも縛りがある形式の契約です。
専属専任媒介契約は1社のみと結ぶことができ、自分で買い手を見つけた場合も不動産会社による仲介が必要です。
契約の有効期限は3か月で、契約から5日以内にレインズへ登録しなければいけません。
不動産会社による販売状況報告の頻度も、7日に1回以上が課せられています。
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不動産売却における3種類の媒介契約には、それぞれ異なるメリットがあるため、よく理解して選択することが大切です。
それぞれのメリットを比較して見ていきましょう。
一般媒介契約のメリットは、比較的自由な販売活動ができる点です。
他社との競争心理が働き、不動産会社が積極的に販売活動をする結果、売却が迅速に進む可能性があります。
自分で見つけた買い手とも個人間取引ができるため、不動産会社へ依頼した後に、知り合いから売ってほしいと声がかかった場合にも柔軟な対応ができます。
レインズへの登録義務もないため、売却活動をしていることを他の人に知られる心配がない点もメリットです。
一方で、一般媒介契約を選択する場合は、売り手側が主体的に不動産会社とコミュニケーションを取ることが不可欠です。
一般媒介契約では、販売活動の報告義務がないため、不動産会社の活動が見えにくくなる傾向があります。
報告義務がなく、他社に成約を取られる可能性もある一般媒介契約では、不動産会社が販売活動を怠るケースもある点は注意が必要です。
専任媒介契約のメリットは、契約が1社に絞られるため、自社の独占物件として力を入れてもらえる可能性が高い点です。
売買契約が成立すれば、不動産会社に報酬が入るため、コストをかけた販売活動をしてもらえることが期待できます。
不動産会社とのやり取りが1社だけで済むため、売り手側の労力や時間コストが軽減される点もメリットです。
販売状況の定期的な報告もおこなわれるため、売却活動の現状が把握しやすくなります。
専任契約を結ぶ場合は、契約する不動産会社の力量により、売却活動が大きく左右される点に注意が必要です。
契約を1社に絞り込む分、信頼できる不動産会社を選ぶために、しっかりと吟味するようにしましょう。
専属専任媒介契約のおおよその条件は専任媒介契約と似ていますが、より縛りが増えることで得られるメリットもあります。
専任媒介契約よりも販売状況の報告頻度が高いため、より積極的な売却活動がおこなわれるケースが多いです。
住み替えや相続手続きが必要な場合、売りにくい不動産などでは、専属専任媒介契約を結ぶと、より手厚いサポートに期待できます。
専属専任媒介契約では、不動産会社が意図的に物件を公開しない「囲い込み」を心配する方もいるかもしれません。
囲い込みの対策として、平成28年からレインズでは売り手に対し、ID・パスワードの交付をおこなっています。
登録内容や取引状況を直接確認できるため、不動産会社の販売状況の実態を調べられます。
専属専任媒介契約を結ぶ場合でも、売り手が主体的に販売状況の把握に努めることは大切です。
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不動産売却において、媒介契約を選ぶ場合に留意するべき注意点があります。
ここでは、3つの注意点を解説します。
3種類の媒介契約のうち、どれを選ぶとしても、不動産会社に任せきりにせず、売り手自身が売却活動を把握することは大切です。
一般媒介契約の場合は、複数の不動産会社と契約することになりますが、契約数が多ければ多いほど把握は難しくなります。
複数の不動産会社と契約すると、購入希望者の幅が広がるメリットはありますが、ただ数が多ければ良いわけではありません。
多くの不動産会社から広告が出ていると、買い手に売れ残っている印象を与える場合もあるため、注意しましょう。
複数の不動産会社と契約していると、内見希望日時が重複するケースがあります。
内見が重なってしまうと、不動産会社や購入希望者との間でトラブルが生じ、有利な売却のチャンスを逃す可能性もあるでしょう。
内見をスムーズにおこなうためには、徹底したスケジュール管理が欠かせません。
また、申し込みや契約があった場合は、不動産会社から速やかに連絡をもらえる体制を整えておくことも大切です。
複数の不動産会社に依頼する場合、広告の内容がバラバラにならないよう注意する必要があります。
駅からの距離や築年数など、不動産会社によって表記の方法が異なる場合があります。
また、売却期間中に値下げをおこなった場合、他社の広告と価格の違いが生じ、買い手が混乱するケースもあるでしょう。
それぞれの不動産会社とよくコミュニケーションを取り、広告の内容を統一することは大切です。
以上の3点の注意点から、複数の不動産会社と契約する場合は、混乱を防ぐための工夫が必要であるといえます。
そこで、特別な事情がない限り、媒介契約は専任媒介契約か専属専任媒介契約を選ぶのがおすすめです。
各社と連絡を取る手間や時間を軽減し、1社との売却活動に絞り込めば、より有利に売却を進められる可能性が高まります。
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不動産売却における媒介契約とは、不動産会社に仲介を依頼するにあたって、売却活動の内容や報酬をあらかじめ決める契約です。
専任媒介契約や専属専任媒介契約では、自社独占物件として力を入れてもらえる点や、販売報告も頻繁におこなわれる点でのメリットがあります。
一般媒介契約を結ぶ場合は、内見予約や広告表記などに混乱が生じないように工夫しましょう。
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